母からは連絡はない。
そして、ナギからも音沙汰はないまま。
ナギに──会いたい、な。
いつもなら、勾玉に触れて願うだけ。
触れて、心を落ち着けて。
少しずつ、また頑張ろうって心を回復させていく。
でも、この島にはナギがいる。
『少しでも悩んでいて、少しでも変わりたいと思ってるなら、たまには勇気を出してみるのもいいんじゃないか?』
ねぇナギ。
少しだけ、甘えさせてもらってもいいかな?
『それでもし傷つくことがあったら俺が癒してやる』
もしも迷惑じゃないのなら、会って、今日のことを聞いてもらいたい。
ナギだったらどう考えるか、聞かせてもらいたい。
私は、まだ一度も返信のないナギとのチャット画面を開き、明日の昼過ぎに御霊還りの社で待ってるとメッセージを入れた。
どうか、ナギが見てくれますように。
そう願い、翡翠の勾玉をキュッと握りしめた。