その強い気持ちと勢いが無くならないうちにと、私は母屋から失礼して自分の宿泊している部屋へと戻る。

そして、深呼吸をひとつし、緊張しながらも母にメッセージを送った。


『お母さん、おつかれさま。相談があるので、お仕事が終わってからでいいから電話できる?』


母にうまく話せるだろうか。

ドキドキしながらスマホを座卓の上に置いて、冷えてしまっている部屋を暖める為に暖房をつけた。

西側の窓から差し込む陽はまだ明るい。

けれど、これから御霊還りの社に行くには、帰る頃には暗くなってしまうから、出かけるのは諦めよう。

とりあえず今は、母にどんな風に伝えるかを考えなければ。

まずは水分補給でもしようと、みなか屋の外にある自動販売機に飲み物を買いに行こうと膝立ちしたところでスマホが震えた。

母からメッセージの返信が来たのだろうと手に取れば、まさかの着信で。


「ど、どうしようっ」


まだ心の準備もできないまま、とにかく指をスライドさせた。