思ってもみなかった提案に、なんだか気持ちが前向きになる。
そんな未来もあるのだと、希望が湧いて。
「とりあえずさ、一度お母さんに相談してみるのはどう? もし難しそうなら私からも話してみるから」
心強い味方ができ、背中を押してもらい、私ははやる心を持ちながら頷く。
なにかに向かってこんなにも心が動くのは、都会で毎日を過ごしてた時にはなかった。
それが、ナギの夢を見てから変わって。
自分でも信じられないくらいに行動的になった。
もしもこの島に転校できるなら。
ナギとヒロは卒業してしまうけど、二人が通っていた高校を受験すればどんな場所で二人が学んでいたのかを知れる。
何より、ナギとヒロにいつだって会えるのだ。
ああでも、朋美と離れるのは寂しいな。
まだ決まっていないどころか相談さえしていないのに妄想して一喜一憂してしまう。
それほどに、私はこの予渼ノ島で生活したいと思っている。
もちろん、新しい生活を想像したら不安になることも多いだろうけど……。
それでもきっと、後悔はしない。