きっと、とんでもなく間抜けな顔をしていたと思う。

俺は、固まった表情を無理やり動かして、ロボットみたいにお礼を言った。


「ありがとう、俺も望月と話すの楽しくて好き」

……一瞬でも真に受けてだせぇな、自分。

だけど、あんな笑顔で言われたら、誰だってドキッとすると思う。

俺は、無意識のうちにさっきより少し早歩きで進んでしまった。


「厚いな、今日」


さっきまであんなに軽快に話せていたのに、そんなありふれた話題しか出せなくなってしまった。