その一方で、わたしは本を読んだり、手芸をしたりという、ひとりでできることが好きだったから、学校では少しういていたのかもしれない。

アイドルの話や男の子の話には興味がなくて、しかも周囲に合わせようという気持ちもなかった。きゃぴきゃぴしたところのないわたしは成長するにつれて、同じ年の女の子たちになじめなくなっていた。

わたし自身はそのことについて、あまり危機感を持っていなかったのだけれど、中学二年のとき、わたしはえれながいないとひとりぼっちなのだと痛感する出来事があった。

修学旅行のとき、自由時間のグループを自分たちでつくることになった。仲良し同士が自然に集まりグループを作るなか、ふと気がつくと、わたしのところに来てくれる人は誰もいなくて、教室でぽつんとひとりきりだった。

あ、やばい。

わたしはそのとき、全身にぞわぞわと鳥肌がたつような感覚に襲われた。それは危機感でもあり、恐怖感でもあった。みんなが当たり前のように手にしている自分のいるべき場所を、わたしはもっていないという恐怖。

なにも考えずに好きな世界に没頭していて、人間関係をつくるということをおざなりにしてきた。その結果がこれなのだと思い知らされた。