青磁の言葉に、みんなが気まずそうな表情になる。

私は思わず口を開いた。


「……ちょっと、青磁、そんな言い方……」

「あ? そんな言い方ってどんな言い方だよ。俺は本当のこと言っただけだ」

「……でも」

「うっせえな、黙れ」


ぎろりと私を睨んだ青磁は、みんなに向き直った。


「なあ、お前ら、どうなってんだよ本当に。なーんも出来てねえじゃん。毎日やってたんじゃねえの? って俺が言うのもあれだけどさあ、来てなかったわけだし」


その言葉を受けて、一人の女子が「だってさあ」と唇を尖らせる。


「リーダーの子が来てないんだもん、何やればいいか分からないし」

「じゃ、そいつが来るまで何もしないのか。もし本番までずっと来なくても、何もしないのか」

「別に……そういうつもりじゃ……」


もごもごと言いながら俯いてしまったその子を見下ろしてため息をついた青磁は、唐突に「しゃあねえな」と声をあげた。


「お前らが自分で考えて動けない馬鹿だってんなら、俺が指示してやる」


みんなの視線が青磁に集まった。

もう誰もスマホは触っていない。


私は「は?」と言いかけたのを必死で飲み込み、黙って青磁を見つめた。