集まったメンバーは真面目で大人しい子たちで、来てくれたのはいいものの、何もせずにスマホをいじっていたり本を読んでいたりしている。

一人が私を見て、言い訳をするように言った。


「いや、なんかさ、来てみたはいいものの、何やればいいか分からなくて。茜が来るの待ってたんだ。ごめん」


私は微笑み、「そうだよね」と頷く。


「私のほうこそごめんね。呼んでおいて、自分は補習でいないとか、みんなも困っちゃうよね。せっかく来てくれたのに無駄な時間にさせちゃって、ごめん」


と言いつつも、なんで何もかも私が指示しなきゃいけないの、とも思う。


私はとりまとめをしているだけ。

具体的な作業は、大道具だとか衣装だとかの役割分担ごとにそれぞれ進めてくれないと。

いくらなんでも、私一人で全てを把握して、一人一人に仕事を指示していくなんて、無理だ。


言いたいことはたくさんあったけれど、来てくれた人たちに文句を言うのは違うので、飲み込むしかない。


「とりあえず、それぞれの作業班で、まずやらなきゃいけないことを……」

「でもさあ、リーダーの子が来てないから、何やればいいか分からないんだよね」

「……そっか」


私の顔すら見ずにスマホでゲームをしている姿に、あきれてしまう。

せっかく来たんだから、何かやれることだけでもやればいいのに。