そんなことを考えているうちに、学校へ到着した。
いつものように補習が始まる。
夕べも予習が終わらなくて夜中の三時まで起きていたので、途中から眠くて仕方がなかった。
シャーペンの先で人差し指の爪の際を刺して、なんとか眠気と闘う。
これは最近覚えた睡魔撃退法だった。
爪の周りは神経が鋭くて痛みを感じやすいと本で読んで知り、勉強中に眠くなったときや集中できないときに使っている。
ここのところ、夜遅くまで勉強して、朝寝をしようと思っても早くに玲奈の声で目が覚めてしまって、というのを繰り返していて、爪の際を刺す頻度が明らかに増していた。
あまり強く押しすぎないようにしているけれど、回数が多すぎるせいか、うっすらと血が滲んでいる。
家に帰ったら消毒しなきゃな、と考えているときに、
「はい、じゃあ丹羽。この問題、答えて」
先生からいきなり指名された。
慌てて椅子から立ち上がり、黒板を見る。
でも、どこをやっているのか、どの問題を答えればいいのか、話半分で聞いていたせいで全く分からなかった。
「……すみません、わかりません」
答えると、先生の顔が怪訝そうに歪む。
「ん? そんなわけないだろ。基本問題だぞ。丹羽なら解けるだろ、これくらい」
仕方なく私は頭を下げ、「すみません、聞いていませんでした」と答えた。
いつものように補習が始まる。
夕べも予習が終わらなくて夜中の三時まで起きていたので、途中から眠くて仕方がなかった。
シャーペンの先で人差し指の爪の際を刺して、なんとか眠気と闘う。
これは最近覚えた睡魔撃退法だった。
爪の周りは神経が鋭くて痛みを感じやすいと本で読んで知り、勉強中に眠くなったときや集中できないときに使っている。
ここのところ、夜遅くまで勉強して、朝寝をしようと思っても早くに玲奈の声で目が覚めてしまって、というのを繰り返していて、爪の際を刺す頻度が明らかに増していた。
あまり強く押しすぎないようにしているけれど、回数が多すぎるせいか、うっすらと血が滲んでいる。
家に帰ったら消毒しなきゃな、と考えているときに、
「はい、じゃあ丹羽。この問題、答えて」
先生からいきなり指名された。
慌てて椅子から立ち上がり、黒板を見る。
でも、どこをやっているのか、どの問題を答えればいいのか、話半分で聞いていたせいで全く分からなかった。
「……すみません、わかりません」
答えると、先生の顔が怪訝そうに歪む。
「ん? そんなわけないだろ。基本問題だぞ。丹羽なら解けるだろ、これくらい」
仕方なく私は頭を下げ、「すみません、聞いていませんでした」と答えた。