でも、青磁がこういうことを書いてくるのは想定の範囲内だったから、まだなんとか我慢できた。


それよりも、最後の一枚に書かれていた言葉のほうが、もっと深く鋭く私の胸に突き刺さった。


『いつもマスクで本心を隠し、見えない敵と闘う孤高の戦士』


え、と声をあげてしまいそうになった。


誰が、こんなこと。

グループを見回して、たぶんこいつだ、と目星をつけたのは、ほとんど喋ったこともない地味で大人しい男子だった。

休み時間はいつも一人で、ライトノベルというやつだろうか、異世界ファンタジーのようなアニメの絵が書いてある本を黙って読んでいる。

戦士、などという言葉をいかにも使いそうだった。


私はもう一度カードを見る。

手が微かに震えているせいで、小刻みに揺れている。


気持ちを何とか落ち着けて、紹介文を読み直す。


別に悪気があったわけではないのかもしれない。

でも、私はものすごく衝撃を受けた。


『いつもマスクで本心を隠す』という言葉が、自分でも驚くくらいにショックだった。


私がマスクを手放せなくなっていることに気づいている人がいる。

私のことをそういうふうに思っている人がいる。


そのことが、とてもなくショックだった。


ふ、と息を吐いて、なんとか自分を落ち着かせようとする。