三ゲーム連続で試合に出て、終わったときには少し頭がぼうっとするほどに具合が悪くなっていた。

マスクをつけたまま動いたせいで息切れもすごくて、苦しい。


とりあえず一ゲーム分は休めるので少し安心して、出入り口の風通しがいい場所に陣取って、ぼんやりと外を眺めた。


グラウンドでは男子がサッカーをしている。

見るともなく見ていると、数人、明らかに動きの違う子がいた。


なんとなく目をこらして誰かを確認し、やっぱりみんなサッカー部か、と思っていたとき、

県選抜にも選ばれているサッカー部のエースから、素早い動きでボールをカットした男子がいた。


上手いな、誰だろう、と思った瞬間、その髪が真上からの陽射しで銀色にきらめいて、うげっと叫びそうになった。


青磁だ。


彼は水を得た魚のように巧みなドリブルでディフェンスの網をくぐり抜け、風のような速さでコートを駆け抜ける。

そして、あっという間にゴールを射程圏内に入れると、ディフェンス陣が追いつく前に空気を切り裂くようなシュートを決めた。


おおっとどよめきが上がり、同じチームの男子たちが一斉に青磁に抱きつく。

彼は「お前ら、暑苦しい!」と叫びながらも、嬉しそうに笑っていた。


身勝手なのは自覚しているけれど、その弾けるような笑顔に苛立ちが湧いてくる。

私はこんなに気分が悪いのに、なんであんたはそんなに清々しい顔してるわけ。