午後いちばんの授業は体育だった。


生理痛がいつになくひどくて、頭がずきずきするし、いつもはそんなことないのに腰が痛いし、下腹はずきずきと重苦しい痛みに襲われるし、正直、休みたかった。

でも、『生理痛がひどいので見学させてください』なんて先生に言えるわけがない。


私は重い身体を引きずるようにして体育館に入った。

今は女子はバレーボールなので、自分が試合に出ないときには休める。

それだけが救いだった。


「ねえねえ、茜」


後ろから呼ばれて振り向く。

他のチームの子たちが困ったような顔で立っていた。


「どうしたの?」

「あのね、うちのチーム、今日ひとり休みがいて」

「あ、そうか、美保が欠席だもんね」

「それでね、先生が代わりを探せって」


ああ、そういうこと、と心の中で納得する。


こういうときのピンチヒッター役を頼まれることはとても多い。

運動は苦手ではないし、委員長という役割上、断りにくくて何でも引き受けていたら、こうなった。


正直、今日は本当にお腹が痛くてきついけど、やっぱり断れるわけもなく、私は笑顔でボールを受け取った。