予習と課題が終わり、苦手な数学の復習も終わらせた。
意外と早く済んで、まだ十一時だったので、ベッドに寝転んで、昨日本屋で買ってきた文庫本を開く。
表紙の雰囲気が好みで衝動買いをした『夜明けを待つひと』という小説だ。
読んだことのない作家の作品だったけれど、最初の数ページを読んで、透明感のある綺麗な表現に心を惹かれた。
夢中になって読んでいたのに、ある瞬間、一気に不愉快な気持ちになった。
『青山』という名前の男が出てきたからだ。
『青』という文字を見た途端に、一瞬にして青磁の顔が浮かんで、思わず本を閉じる。
なんなのよ、と心の中で叫びたくなった。
せっかくの貴重な癒しの読書時間なのに、青磁のせいで純粋に楽しめなくなってしまった。
学校だけならまだしも、家に帰ってきてまで青磁に不快な思いをさせられることになるなんて。
私は本を枕元に置いて仰向けになり、両腕を額にのせて目を閉じた。
ふう、とため息をつく。
嫌いだ。大嫌いだ、青磁なんか。
こんなに人のことを嫌いになったのは初めてだった。
今までは、人を嫌いになるのはだめなことだと思っていたし、苦手な性格の子がいても良いところを見つけて好きになろうと努力してきた。
意外と早く済んで、まだ十一時だったので、ベッドに寝転んで、昨日本屋で買ってきた文庫本を開く。
表紙の雰囲気が好みで衝動買いをした『夜明けを待つひと』という小説だ。
読んだことのない作家の作品だったけれど、最初の数ページを読んで、透明感のある綺麗な表現に心を惹かれた。
夢中になって読んでいたのに、ある瞬間、一気に不愉快な気持ちになった。
『青山』という名前の男が出てきたからだ。
『青』という文字を見た途端に、一瞬にして青磁の顔が浮かんで、思わず本を閉じる。
なんなのよ、と心の中で叫びたくなった。
せっかくの貴重な癒しの読書時間なのに、青磁のせいで純粋に楽しめなくなってしまった。
学校だけならまだしも、家に帰ってきてまで青磁に不快な思いをさせられることになるなんて。
私は本を枕元に置いて仰向けになり、両腕を額にのせて目を閉じた。
ふう、とため息をつく。
嫌いだ。大嫌いだ、青磁なんか。
こんなに人のことを嫌いになったのは初めてだった。
今までは、人を嫌いになるのはだめなことだと思っていたし、苦手な性格の子がいても良いところを見つけて好きになろうと努力してきた。