「――青磁が、好き」


その言葉は、ぽろりとこぼれるように口をついて出た。

言うつもりなんてなかったのに、言うべきことは言っておかなきゃ、と思っていたら、言ってしまった。


青磁がぴくりと眉をあげた。

でも、こちらを見てはくれない。


だから、私はさらに言葉を続けた。

なんとかして青磁に振り向いてほしかった。


「好きだから、もっと話したいし、一緒にいたい。青磁が絵を描くところをまた見たい」


どうやったら青磁の心に響くのか、そればかりを考えていた。

すごく恥ずかしいことを言っていると、頭の片隅では分かっていたけれど、そんなことはどうでもいい。

私の気持ちが青磁に届くのなら。


「青磁が隣にいないと、毎日つまらなくて退屈で、さみしい。青磁の声が聞けないと、空っぽで虚しくてたまらない。青磁に冷たくされたら、世界の終わりみたいに悲しくなる」


青磁への想いを、うまく言葉にするのは難しかった。

私にとって青磁は、太陽みたいな、希望の塊みたいな、きらきらと輝くものの全てだ。


青磁という光を知ってしまったから、彼がいないともう、私の世界はどんよりと曇ってくすんだ灰色に沈んでしまう。


「青磁が好きなの。だから、前みたいに、一緒にいたい」