それでも、学校は一度も休まなかった。


私は悪くないんだから、いつか誰かが分かってくれるはず。

無視されたくらいで休んでたまるか。

負けてたまるか。


自分にそう言い聞かせて、すくむ足を励ましながら、私は堂々と黙々と学校に通った。


でも、いつまで経っても状況は変わらなかった。

そして、私はとうとう逃げた。

私立中学を受験して、誰も知り合いのいない学校へ入学したのだ。


ちょうどその頃、お母さんがお父さんと再婚して引っ越すことになったので、それきり小学校時代の同級生には会っていない。


中学生になった私は、生き方を変える決意をした。


自分が無視されるようになった原因は、あのとき、みんなの前で彼女の行動を咎めて傷つけてしまったことだ。

いくら正しいこととはいえ、言っていいことと悪いことがあるんだ。

そう考えた。


だから、人を傷つけないように、相手の機嫌を損ねないように、気を遣いながら生きていかなければならない。

それまでの私は、どんなときでも正しいと思ったことを言ってきたけれど、そんなやり方では上手く生きていけないということに気がついてしまった。


正しいかどうかよりも、好かれるかどうかのほうが、この社会で生きていく上では大事なのだ。