まあ、そうだね、と私は頷く。
見上げると、一面の空。
今日の空は雲が多い。
幾層にも重なりあった雲が複雑な模様を描いていた。
その隙間からは、ところどころ青空が覗いている。
雲が部分は灰色で、薄い部分は白っぽく、西のほうでは淡い黄色みを帯びていた。
「毎日空を見てるとさ、なんつうか、神様ってんじゃないけど、なにかいるなって感じがする」
「なにかって、なに?」
「うーん……宇宙とか、運命とか……なんかぴったりくる言葉は思いつかねえけど、とにかく圧倒的な存在」
青磁の顔つきも声音も真摯だった。
だから、「なにそれ?」と笑うわけにもいかなくて、私も黙って空を見つめた。
「さて、そろそろやるかあ」
しばらくしてから青磁が起き上がり、持ってきた絵の道具を広げ始めた。
私はいつものように三角座りをして彼の動きを見ている。
私がどんなに観察しても、青磁は何も気にせずにマイペースに行動する。
誰かと一緒にいると、私はいつも相手の顔色を読み、自分が不快な思いをさせていないか、ということばかり考えて、疲れてしまうのが常だった。
そんな私にとっては、だれが側にいようが気にせずに、まるで一人でいるように気ままに振る舞う彼といるのは、とても楽だった。
何も気を使わなくていい、という解放感。
見上げると、一面の空。
今日の空は雲が多い。
幾層にも重なりあった雲が複雑な模様を描いていた。
その隙間からは、ところどころ青空が覗いている。
雲が部分は灰色で、薄い部分は白っぽく、西のほうでは淡い黄色みを帯びていた。
「毎日空を見てるとさ、なんつうか、神様ってんじゃないけど、なにかいるなって感じがする」
「なにかって、なに?」
「うーん……宇宙とか、運命とか……なんかぴったりくる言葉は思いつかねえけど、とにかく圧倒的な存在」
青磁の顔つきも声音も真摯だった。
だから、「なにそれ?」と笑うわけにもいかなくて、私も黙って空を見つめた。
「さて、そろそろやるかあ」
しばらくしてから青磁が起き上がり、持ってきた絵の道具を広げ始めた。
私はいつものように三角座りをして彼の動きを見ている。
私がどんなに観察しても、青磁は何も気にせずにマイペースに行動する。
誰かと一緒にいると、私はいつも相手の顔色を読み、自分が不快な思いをさせていないか、ということばかり考えて、疲れてしまうのが常だった。
そんな私にとっては、だれが側にいようが気にせずに、まるで一人でいるように気ままに振る舞う彼といるのは、とても楽だった。
何も気を使わなくていい、という解放感。