わたしはお皿にかけていたラップをはがし、ハンバーグをタッパーに移し替えた。
そしてブロッコリーや、作り置きのきんぴらごぼう、温かいごはんも詰める。
今日は、わたしのおせっかいで蒼ちゃんにブレスレットをプレゼントした日。
おせっかいついでに食事を差し入れするのも、悪くないよね?
――ところが。
「なんであんたがいるの……」
「それはこっちのセリフだ」
せっかく自転車を一時間こいで蒼ちゃんの家に到着したのに、ドアのむこうに立っていたのは蒼ちゃんじゃなかった。
いや、正確には、中身が蒼ちゃんじゃなかった。
想定外のホタルの登場で、わたしの背筋に緊張が走る。
だけどそれを悟られないよう、ぐっと表情を引き締めた。