なんて頭の中で自画自賛してみたものの、袋は破けてしまってもう使えない。
おばさんがひとりで荷物を持って帰るのは厳しいだろう。

わたしは倒れた自転車を起こしながら、遠慮がちに言った。


「あの……もしよかったら運びましょうか?」


   * * *


白いダイニングテーブルには一輪の花が、そして壁には家族写真が飾られている。
庭に面した大きな窓から、ふんだんに射しこむ明るい光。

家族団らんの笑い声が似合う、まさにそんな空間だ。


「本当にありがとうね。おかげで助かったわー」


スイカを乗せたお皿を出してくれるおばさんに、わたしは恐縮しながら頭を下げた。

荷物を運んだお礼に、と招いてもらったのだけど……よそのおうちのリビングって、妙に緊張する。
生活の息づかいを感じるし、ここが蒼ちゃんのおうちだから、よけいに。