孤独と恐怖と空腹の日々。具体的なことは話したくないし、話す必要もないから割愛するけれど。
ほんの少しだけ、君にも想像してほしいんだ。
“もしも幼い頃の自分が、逃げ場もなく、守ってくれる人もなく、閉ざされた小さな世界のすべては苦痛に満ちている。そんな状況に陥ったら?”
地獄のような日々の中、俺にとって唯一の希望だったのが、離れて暮らす母の存在だ。
だけど半年経ち、一年経っても、母が迎えにきてくれることはなかった。
子どもは大人と違って、自分の生きる場所を選べない。
逃げる術すら持たなかった幼い俺が、ひとりで背負うには厳しすぎる現実がそこにはあったんだ。
――そう、だから。
俺は無意識に“彼ら”を作ってしまった。
俺を地獄から救ってくれる、交代人格のモモとミノルとフブキを。