「でも、明日から連休だもんなあ。しばらく勉強会も休みか」
つまらなそうにぼやいて、嵐くんが紙パックのオレンジジュースのストローをくわえる。
すると梨花ちゃんが「あ、いいこと思いついた」と手をうった。
「べつにさ、学校が休みだからって、勉強会まで休みにしなくてもいいじゃん」
「あ、そっか」
「どこかで集まってやろうよ!」
梨花ちゃんの素敵な提案に、私の胸も躍った。
正直なところ、ゴールデンウィークは憂鬱だったのだ。
だって、お父さんは土日以外は仕事だし、佐絵はほぼ毎日部活があるしで、連休中はずっと、家にいるのは私一人になってしまう。
だから、皆とちがって私は、少しも休みが楽しみなんかじゃなかった。
学校に来て授業を受けたり、クラスメイトとお話をしたりするほうが、家に一人でいるよりもずっと楽しい。
それに最近は、この居心地のいい勉強会のおかげで、前よりもずっと学校が楽しくなっていた。
「グッドアイディア! 梨花、たまにはいいこと言うな」
「でしょ? たまに、は余計だけどね」
梨花ちゃんと嵐くんが楽しげにじゃれ合いながら笑っているのを、私と雪夜くんが黙って見ている。
この数日間、幾度となく繰り返された光景だ。
この感じが、なんとも言えず快いのだ。
誰にも気をつかわずにいられる、この雰囲気。
それはきっと、とても周りに気を配るのがうまい二人のおかげだ。
だから、会話の苦手な私は気負わずにいられるし、無口な雪夜くんも肩の力をすっかり抜いているように見える。
つまらなそうにぼやいて、嵐くんが紙パックのオレンジジュースのストローをくわえる。
すると梨花ちゃんが「あ、いいこと思いついた」と手をうった。
「べつにさ、学校が休みだからって、勉強会まで休みにしなくてもいいじゃん」
「あ、そっか」
「どこかで集まってやろうよ!」
梨花ちゃんの素敵な提案に、私の胸も躍った。
正直なところ、ゴールデンウィークは憂鬱だったのだ。
だって、お父さんは土日以外は仕事だし、佐絵はほぼ毎日部活があるしで、連休中はずっと、家にいるのは私一人になってしまう。
だから、皆とちがって私は、少しも休みが楽しみなんかじゃなかった。
学校に来て授業を受けたり、クラスメイトとお話をしたりするほうが、家に一人でいるよりもずっと楽しい。
それに最近は、この居心地のいい勉強会のおかげで、前よりもずっと学校が楽しくなっていた。
「グッドアイディア! 梨花、たまにはいいこと言うな」
「でしょ? たまに、は余計だけどね」
梨花ちゃんと嵐くんが楽しげにじゃれ合いながら笑っているのを、私と雪夜くんが黙って見ている。
この数日間、幾度となく繰り返された光景だ。
この感じが、なんとも言えず快いのだ。
誰にも気をつかわずにいられる、この雰囲気。
それはきっと、とても周りに気を配るのがうまい二人のおかげだ。
だから、会話の苦手な私は気負わずにいられるし、無口な雪夜くんも肩の力をすっかり抜いているように見える。