意外な三人の名前が呼ばれたせいか、クラスのみんなが、なになに? と興味を引かれたような表情で次の展開を待っている。


すると先生はにっこりと笑って、


「三浦、染川、霧原の三人で、遠藤を助けてやってくれ」


と思いがけない言葉を口にした。


私は驚いて硬直してしまう。

三浦くんが「えっ?」と声をあげるのが聞こえた。


「なになに、先生、どういうこと?」


染川さんも怪訝な顔をしている。

先生は「だからな」と言葉を続けた。


「遠藤は今まで学校に来てなかったから、中間テストで困るだろ? だから、お前らが放課後残って勉強教えてやってくれな、ってことだよ」

「いや、確かにそうだけど、それは分かるんだけど……」


そう言って三浦くんが振り返り、私の顔を見て、それから私の隣に目を向けた。

私もつられて視線を送る。


そこには、少し眉をひそめて不機嫌な表情に見える遠藤くんが座っていた。

ポケットに手を突っこんで、だるそうに椅子に浅く腰かけ、軽く睨むように先生を見つめ返している。

先生は「まあ、そうかりかりすんなよ」と笑って受け流している。

人間ができているなあ、と思った。


三浦くんは微妙な表情で遠藤くんを見つめ、それからちらりと私を見たあと、空気を変えるように明るい声をあげて「なんで、そのメンバー?」と先生に訊ねた。