「だから、どうか……神様」
雪夜くんの声が震えて、かすれて、どんどん聞こえなくなっていく。
「美冬だけは助けて。お願いします。どうか、どうか、助けてください。俺はどうなったっていいから、美冬だけは、助けて……」
『分かった。それでは、代わりにお前の命を頂こう』
そう答える天の声が聞こえた瞬間、どくん、と心臓が音を立てた。
流れ出したはずの命が戻ってくる。
全身が脈うちはじめる。
胸が、頬が、指先が、じわりとあたたかくなる。
息を吸い込むと、身体の中に新鮮な空気が流れ込んできて、頭にかかっていた靄が晴れていく。
瞼を押しあげる力が戻ってきた。
大切な君の姿がうっすらと見えて、泣きそうになる。
その瞬間、目の前が真っ白に発光した。
瞳を灼くほどの強烈な光が爆発して、雪夜くんの姿をのみこむ。
まばゆい光に包まれた雪夜くんは、あっという間に、細い線になり、そして小さな点になって――消えた。
「――雪夜くん! 雪夜くん!」
私は君の名前を呼ぶ。
何度も、何度も、呼ぶ。
声が枯れるまで。
でも、光に呑まれた君は答えてくれない。
絶望して、どうして……とつぶやいたとき、拡散していた光が一気に収束して、視界が戻ってきた。
そこで私が見たものは――血まみれになって倒れ伏す雪夜くんの姿だった。
雪夜くんの声が震えて、かすれて、どんどん聞こえなくなっていく。
「美冬だけは助けて。お願いします。どうか、どうか、助けてください。俺はどうなったっていいから、美冬だけは、助けて……」
『分かった。それでは、代わりにお前の命を頂こう』
そう答える天の声が聞こえた瞬間、どくん、と心臓が音を立てた。
流れ出したはずの命が戻ってくる。
全身が脈うちはじめる。
胸が、頬が、指先が、じわりとあたたかくなる。
息を吸い込むと、身体の中に新鮮な空気が流れ込んできて、頭にかかっていた靄が晴れていく。
瞼を押しあげる力が戻ってきた。
大切な君の姿がうっすらと見えて、泣きそうになる。
その瞬間、目の前が真っ白に発光した。
瞳を灼くほどの強烈な光が爆発して、雪夜くんの姿をのみこむ。
まばゆい光に包まれた雪夜くんは、あっという間に、細い線になり、そして小さな点になって――消えた。
「――雪夜くん! 雪夜くん!」
私は君の名前を呼ぶ。
何度も、何度も、呼ぶ。
声が枯れるまで。
でも、光に呑まれた君は答えてくれない。
絶望して、どうして……とつぶやいたとき、拡散していた光が一気に収束して、視界が戻ってきた。
そこで私が見たものは――血まみれになって倒れ伏す雪夜くんの姿だった。