「……もしかして、嵐って、美冬のこと……」
梨花ちゃんの唇からぽつりと落ちた呟き。
あまりに小さくてよく聞き取れなかったので、聞き間違いかもしれなくて、私は何も言えない。
なんとなく居心地が悪くて、私は梨花ちゃんから目を離し、嵐くんの歩いていったほうに視線を向けた。
嵐くんは、木陰に一人で佇んでこちらを見ていた雪夜くんのもとに行き、何か声をかけている。
すると、雪夜くんが不機嫌そうに顔をしかめたのが分かった。
どうしたんだろう、と様子を見ていると、雪夜くんが何か言いながら嵐くんの腕をつかみ、ひと気のないほうへと歩いていく。
どこか不穏な空気に不安を感じた私は、ちらりと梨花ちゃんを見た。
梨花ちゃんも同じことを思っていたようで、小さく頷く。
私たちは二人で連れ立って、彼らの後を追った。
雪夜くんは、誰もいなくなった調理場の陰に入り、嵐くんに向かい合う。
私と梨花ちゃんは少し離れたところからそれを見守った。
「なんで………だよ」
「べつに………だろ?」
けっこう距離があるし、向こうで騒いでいるみんなの声が響いてくるので、二人が何を話しているのかはなかなか聞き取れない。
でも、嵐くんを見つめる雪夜くんの顔つきが厳しくて、緊迫した空気が伝わってきた。
「……大丈夫かな。どうしたんだろう、急に」
独り言のように呟くと、梨花ちゃんも同意するように頷いた。
梨花ちゃんの唇からぽつりと落ちた呟き。
あまりに小さくてよく聞き取れなかったので、聞き間違いかもしれなくて、私は何も言えない。
なんとなく居心地が悪くて、私は梨花ちゃんから目を離し、嵐くんの歩いていったほうに視線を向けた。
嵐くんは、木陰に一人で佇んでこちらを見ていた雪夜くんのもとに行き、何か声をかけている。
すると、雪夜くんが不機嫌そうに顔をしかめたのが分かった。
どうしたんだろう、と様子を見ていると、雪夜くんが何か言いながら嵐くんの腕をつかみ、ひと気のないほうへと歩いていく。
どこか不穏な空気に不安を感じた私は、ちらりと梨花ちゃんを見た。
梨花ちゃんも同じことを思っていたようで、小さく頷く。
私たちは二人で連れ立って、彼らの後を追った。
雪夜くんは、誰もいなくなった調理場の陰に入り、嵐くんに向かい合う。
私と梨花ちゃんは少し離れたところからそれを見守った。
「なんで………だよ」
「べつに………だろ?」
けっこう距離があるし、向こうで騒いでいるみんなの声が響いてくるので、二人が何を話しているのかはなかなか聞き取れない。
でも、嵐くんを見つめる雪夜くんの顔つきが厳しくて、緊迫した空気が伝わってきた。
「……大丈夫かな。どうしたんだろう、急に」
独り言のように呟くと、梨花ちゃんも同意するように頷いた。