「ごめんなさい。……にぎやかなところは苦手なの」


精一杯の断りの言葉は、震えていたけれどきちんと音声になった。


「ほら、あっち行きな」


佐賀さんに追い立てられ、葦原くんはパーテーションの向こうに消えた。
私の心臓は嫌な音をたててずっと鳴っていた。

完全に彼の思惑通りだ。

いつまで続くんだろう。
彼は飽きるまでと言ったけれど、いつになれば飽きてくれるだろう。
どうすれば飽きてくれるだろう。