「嬉しいなぁ。じゃあ、今度ご馳走になっちゃおうかな。……あ、せっかくだからワリカンにして、みんなで行きましょうよ」
笠井さんがピクッと頰を引きつらせた。
『ふたり』→『みんな』
このあたりが引っかかるみたいだ。それはそうだろう。
気配を察したのか、仲の良い後輩女子が言う。
「せっかくだしふたりで行きなよ〜」
「え?みんなでごはんって楽しくないですか?俺、ワイワイやるの大好きなんです」
葦原くんがトボけて無邪気を装っているのが、私にはわかる。
しかし、彼を善良な子犬だと思っている女子たちは、彼の偽りの天然に困っているようだ。
葦原くんはニコッと笑って続ける。
「決まり。みんなで行きましょうね!お店選びは笠井さんのセンスに頼りたいなぁ。笠井さん、おしゃれなお店とか詳しそうだし」
「そんなに詳しくないもん……」
「えー?俺、甘い物もがっつり食べられるカフェ系がいいなー。笠井さん、絶対詳しいでしょ?」
「もぉ、葦原くんてば子どもみたいなんだから」
あっという間に『みんなでごはん』にすり替わってしまった。
最後に笠井さんをフォローして、機嫌をとるあたり確信犯だ。
笠井さんは目論見こそはずれたものの、まんざらでもない顔をしている。
笠井さんがピクッと頰を引きつらせた。
『ふたり』→『みんな』
このあたりが引っかかるみたいだ。それはそうだろう。
気配を察したのか、仲の良い後輩女子が言う。
「せっかくだしふたりで行きなよ〜」
「え?みんなでごはんって楽しくないですか?俺、ワイワイやるの大好きなんです」
葦原くんがトボけて無邪気を装っているのが、私にはわかる。
しかし、彼を善良な子犬だと思っている女子たちは、彼の偽りの天然に困っているようだ。
葦原くんはニコッと笑って続ける。
「決まり。みんなで行きましょうね!お店選びは笠井さんのセンスに頼りたいなぁ。笠井さん、おしゃれなお店とか詳しそうだし」
「そんなに詳しくないもん……」
「えー?俺、甘い物もがっつり食べられるカフェ系がいいなー。笠井さん、絶対詳しいでしょ?」
「もぉ、葦原くんてば子どもみたいなんだから」
あっという間に『みんなでごはん』にすり替わってしまった。
最後に笠井さんをフォローして、機嫌をとるあたり確信犯だ。
笠井さんは目論見こそはずれたものの、まんざらでもない顔をしている。