葦原くんのひとり住まいはマホガニーブラウンを基調とした落ち着いた空間だった。
あたたかみすら感じそうな部屋なのに、妙に生活感は欠如している。
モデルルームみたいだ。
まるで彼の人間性そのもの。
あたたかくて人懐っこくて、人情100パーセントで出来ていそうなのは見た目だけ。
中身は冷酷で他者を踏みつけることで満足を覚える精神的なサディストだ。
私はいつから、彼を不信に思っていたんだっけ。
所在なく、一番手近のダイニングチェアに腰かけ考えた。
葦原くんが入社してきたのは、今から2年半前。
社長が惚れ込んで一次面接で内定を出した新人が彼だった。
その噂は彼が他の同期4人と入社してきた時には、社内中の人間が知っていた。
入社式で初めて彼を見た時、なんて綺麗な男の子だろうと思った。
客観的に言えば、葦原五弦は整った容貌の青年だった。
薄い色味の瞳、サラサラの涅色の髪の毛、高い鼻梁、涼しげな口元。
陳腐なたとえだけど、ギリシャ彫刻のような美しさ。
あたたかみすら感じそうな部屋なのに、妙に生活感は欠如している。
モデルルームみたいだ。
まるで彼の人間性そのもの。
あたたかくて人懐っこくて、人情100パーセントで出来ていそうなのは見た目だけ。
中身は冷酷で他者を踏みつけることで満足を覚える精神的なサディストだ。
私はいつから、彼を不信に思っていたんだっけ。
所在なく、一番手近のダイニングチェアに腰かけ考えた。
葦原くんが入社してきたのは、今から2年半前。
社長が惚れ込んで一次面接で内定を出した新人が彼だった。
その噂は彼が他の同期4人と入社してきた時には、社内中の人間が知っていた。
入社式で初めて彼を見た時、なんて綺麗な男の子だろうと思った。
客観的に言えば、葦原五弦は整った容貌の青年だった。
薄い色味の瞳、サラサラの涅色の髪の毛、高い鼻梁、涼しげな口元。
陳腐なたとえだけど、ギリシャ彫刻のような美しさ。