スズキのムニエルも並ぶと彼はナイフとフォークを手に食事にかかる。
そして食事をしつつ、えげつない要求を追加する。
「早速、今夜からお願いします。俺のマンション、近所にあるんで、行き来は便利ですよ。この後、場所を教えます。合鍵は定時までに渡しますから、俺が遅い日は先に入っていてください」
「私、まだ返事してない」
「イエス以外ないと思ってます」
私はパスタに手がつけられず、手に取りかけたフォークを置いた。
吐き気がした。
今夜もあの恐ろしい痴態を演じなければならないのか。最低の相手の前で。
「大丈夫ですよ。この前だって、痛かったのは最初だけでしょう?途中から、気持ちよさそうに喘いでたじゃないですか。すぐに俺の奴隷になれます」
奴隷……。なるほど彼の求めるところはそれなのだ。
都合よく抱ける奴隷。
手が震えた。
とんでもない罠にかかってしまった。最低な男の仕掛けた悪辣なトラップだ。
「葦原くんは、頭がおかしいね」
「人にそう言われたことはありませんが、たぶん合ってますよ」
葦原くんは悪魔的に美しく笑った。
あの晩と同じ微笑みだった。
そして食事をしつつ、えげつない要求を追加する。
「早速、今夜からお願いします。俺のマンション、近所にあるんで、行き来は便利ですよ。この後、場所を教えます。合鍵は定時までに渡しますから、俺が遅い日は先に入っていてください」
「私、まだ返事してない」
「イエス以外ないと思ってます」
私はパスタに手がつけられず、手に取りかけたフォークを置いた。
吐き気がした。
今夜もあの恐ろしい痴態を演じなければならないのか。最低の相手の前で。
「大丈夫ですよ。この前だって、痛かったのは最初だけでしょう?途中から、気持ちよさそうに喘いでたじゃないですか。すぐに俺の奴隷になれます」
奴隷……。なるほど彼の求めるところはそれなのだ。
都合よく抱ける奴隷。
手が震えた。
とんでもない罠にかかってしまった。最低な男の仕掛けた悪辣なトラップだ。
「葦原くんは、頭がおかしいね」
「人にそう言われたことはありませんが、たぶん合ってますよ」
葦原くんは悪魔的に美しく笑った。
あの晩と同じ微笑みだった。