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いつもと同じ時刻の電車に乗り、二子玉川駅に着く。

ライズオフィスに向かい、専用通路を進んだ。私の出社は早いほうで、あまり同僚とは会わない。
会っても仲良く会話しながらオフィスへ向かうなんて間柄の人間はいない。

ホライズン総研株式会社は社員数75名の中規模ＩＴ企業だ。
自社でシステム構築し、パッケージとして売ったり、パートナー企業のネット、システム部門のコンサルが主な仕事。

私の所属するＩＴマネジメントグループはパートナー企業の開拓、管理を担う部門だ。全員ＳＥとしてのスキルがあるので、客先に行き、専門的な話もできる。
現在、鎌田未來部長を筆頭とした総勢20名がこの業務にあたっている。

私は事務方がメインだ。

入社2年は企業出向でＳＥとして働いていたけれど、コミュニケーションが上手いとは言えない私は、あまり出向先からウケがよくなかった。明るく友人気質な社風だったのも、私が浮いた原因だろう。
ＩＴマネジメントグループに異動してからも、私が客先に赴くのは稀で、管理業務をオフィスで行うことがほとんどだ。


「九重、おはよ」


パーテーションに区切られたフロアに入ると、同期の与野が話しかけてきた。
世間話ができる貴重な同僚だ。今日は珍しく一緒に外出の予定がある。