「お願い……もう触らないで」


「自分でしたことないんですか?ほら、鎌田部長とするのを想像して、慰めてたんじゃ無いんですか?」


侮辱の言葉に、カッと頭に血が上った。


「葦原くんの理屈で言わないで。私はそんなこと……未來さんを汚すようなこと……」


絶対にしない。するもんか。彼女を想像しながらだなんて……。


「あなたには関係ないでしょう?私の気持ちは放っておいて!」


「わかってないなぁ」


怜悧な声が降ってきた。
葦原くんは冷めた瞳で私を射ぬいている。


「恋なんてみんな劣情なんですよ。どんなに綺麗事を言っても、最後は相手とヤることが目的になる」


「私は……そんなんじゃ……」


「そうですよ。現実はそういうものです。鎌田部長にその気にならなかったなら、あなたのそれは恋じゃなかったのかもしれませんね。そして、俺とあなたの行為も恋ではない」


葦原くんは楽しそうに言うと、私の耳元に唇を寄せた。