「考える時間、あとどのくらい要ります?」


葦原くんは引く気はないようだった。

彼は一時の性欲で言っているのではない。
私が気にくわないから、一泡吹かせたいだけなのだ。それは率直な分、強い欲求だ。


「わかった。一回だけなら」


これ以上考える余地はなかった。

未來さんのため、私のため、できることは彼の言うことに従うこと。


「決まり。じゃ、場所移しましょっか」



私は葦原くんに伴われ、重い脚を一本前に進めた。