お父さんはようやくどこかのポケットから、それを見つけ出し、私の手に乗せた。
ネックレスみたい。

不思議な緑色の小さな石がくっついている。


「あ、『センス微妙』とか思っただろ」


お父さんが私の思ったことを言い当てる。
うん、思っちゃった。
なんか変な形だし。パワーストーンだったら、占いとか趣味じゃないし嫌だなぁって。

お父さんが言う。


「清子の目の色に似てると思って、知り合いから譲ってもらったんだ。きみの目は俺の目より、少しだけ緑が濃い。この色でぴったりだろう?」


最近、どんどんお父さんに似てきたと自分では思っていたけれど、言われてみれば私の目の方が変な緑だ。
なるほど、そんな基準で選んだのね、お父さん。


「一応、ダイヤモンド」


「えー?ダイヤって宝石でしょ?お母さんにあげなよ」


私のこういうところが、子どもらしくないんだろうな。
でも、しょうがないじゃない。
大人に囲まれて、大人の中で育ったんだから。