盛り付けるのは葦原くんが帰ってから。
卵を余分にひとつ残しておいたから、もう一度火を入れる時に追加しよう。半熟に仕上がる。
ペットボトルのお茶も冷やしてある。そうだ、まだ時間もあるし、コップなんかを洗いなおしておこう。
私がシンクにいくつかのグラスを並べた時だ。
玄関が開く音がした。
19時15分。
少し早いけれど、葦原くんが帰ってきた。
「お・お帰りなさい」
リビングダイニングに入ってきた彼に、おずおずと声をかける。
驚いた顔をされるかと思っていた。
しかし、彼の瞳は冷淡だった。
部屋に充満する出汁の香りも、キッチンに立つ私も、ありえないもののように見つめている。
「なんですか?この状況は」
葦原くんは呟いた。
私は気圧されながら、答えた。
「ごはん……作ってみたんだけど……、もしかしてもう夕飯済ませちゃった?」
葦原くんは驚いていない。
そして、喜んでもいない。
私は彼の気持ちを知ろうとキッチンから出て、顔を覗き込む。
卵を余分にひとつ残しておいたから、もう一度火を入れる時に追加しよう。半熟に仕上がる。
ペットボトルのお茶も冷やしてある。そうだ、まだ時間もあるし、コップなんかを洗いなおしておこう。
私がシンクにいくつかのグラスを並べた時だ。
玄関が開く音がした。
19時15分。
少し早いけれど、葦原くんが帰ってきた。
「お・お帰りなさい」
リビングダイニングに入ってきた彼に、おずおずと声をかける。
驚いた顔をされるかと思っていた。
しかし、彼の瞳は冷淡だった。
部屋に充満する出汁の香りも、キッチンに立つ私も、ありえないもののように見つめている。
「なんですか?この状況は」
葦原くんは呟いた。
私は気圧されながら、答えた。
「ごはん……作ってみたんだけど……、もしかしてもう夕飯済ませちゃった?」
葦原くんは驚いていない。
そして、喜んでもいない。
私は彼の気持ちを知ろうとキッチンから出て、顔を覗き込む。