私は日頃からプライベートを話さない。未來さんにすら話していない。
人との距離感がよくわからないから、接触を減らしているのだ。
しかし、佐賀さんはよく私にプライベートの話をしてくれていることを思い出す。
付き合った彼氏が重度のマザコンですぐに別れたとか、ご両親が喧嘩してなだめるのが大変だったとか。
そういえば、彼氏についてもこの前詮索されたっけ。
そうか、こういう間柄なら彼氏の存在は報告すべきなんだ。
妙に納得してから、私と葦原くんの関係が到底報告できるものではないことに思い至った。
「内緒で愛を育んでたんだよ。ね、沙都子さん」
私が考えるあまり無言になっているのを見かねて、葦原くんが答える。
「ちなみにどっちから告白したの?」
「俺からに決まってんじゃん。ずっと、沙都子さんのこと好きだったからさ」
「意外!」
「ミステリアスなところがあるでしょ、この人。気になっちゃってさー。気付いたら片想いですよ。振り向いてほしくて、すっげー頑張ったわ、俺」
葦原くんと佐賀さんのやりとりに無性に頬が熱くなるのは、嘘でも彼が恋心を披露してくれているからだろうか。
そこに未來さんが近づいてくる。
「あんたたち、ちょっとストップ。昼休みとはいえ、一応オフィスなんで、恋バナは自重で」
人との距離感がよくわからないから、接触を減らしているのだ。
しかし、佐賀さんはよく私にプライベートの話をしてくれていることを思い出す。
付き合った彼氏が重度のマザコンですぐに別れたとか、ご両親が喧嘩してなだめるのが大変だったとか。
そういえば、彼氏についてもこの前詮索されたっけ。
そうか、こういう間柄なら彼氏の存在は報告すべきなんだ。
妙に納得してから、私と葦原くんの関係が到底報告できるものではないことに思い至った。
「内緒で愛を育んでたんだよ。ね、沙都子さん」
私が考えるあまり無言になっているのを見かねて、葦原くんが答える。
「ちなみにどっちから告白したの?」
「俺からに決まってんじゃん。ずっと、沙都子さんのこと好きだったからさ」
「意外!」
「ミステリアスなところがあるでしょ、この人。気になっちゃってさー。気付いたら片想いですよ。振り向いてほしくて、すっげー頑張ったわ、俺」
葦原くんと佐賀さんのやりとりに無性に頬が熱くなるのは、嘘でも彼が恋心を披露してくれているからだろうか。
そこに未來さんが近づいてくる。
「あんたたち、ちょっとストップ。昼休みとはいえ、一応オフィスなんで、恋バナは自重で」