二次会は同じホテル内の高層階のバーで行われた。
お式自体が15時スタートだったので、二次会の時刻はとっぷりと日も暮れ、バーの大きな窓からは都心の夜景と皇居の森がぐるり見渡せた。

二次会は帰ろうと思っていた。
しかし、未來さんに「夫をちゃんと紹介したい」と言われ、已む無く参加。

挨拶は無事に済ませ、佐賀さんや与野と一緒にいたけれど、このふたりがそれぞれに呼ばれ、離れた瞬間ができる。私は深くため息をつく。

恥ずかしい。
大勢の人の前で泣いてしまった。

涙で目が腫れぼったい。
きっと、化粧なんか落ちているだろう。

未來さんへの義理は果たした。これ以上ここにいるのは無意味だ。
もう帰ってしまおうかな。


「ブーケもらった人ですよね」


ふと、顔をあげるとふたり組の男性が私を覗き込んでいた。
知らない顔だ。
結婚式なんだから、そんなこともあるだろうとなぜか冷静に考える。