クラスメイトが声をそろえて、
「はい!」
と、返事をした。

「よし、じゃあ山下」

「はい」

素早く立ちあがった哲生は、まっすぐに山本先生を見た。

「設定はこうです。梨花は昨日、4時間目が終わったと同時に泣きながら帰りました。国語の質問に答えられなかったからです。それ以来、誰も姿を見ていません」

「音楽室の件は?」

次の質問に千尋が立ちあがる。

「日直である私がカギを開けたことにします」