「ね、心。よく聞いて。またお薬飲んでないの?」

「お薬……?」

「そう。精神科のお薬。また、なにか混乱してるの?」

「……なにを言ってるのかわからない」

瑠衣は「そっか」と、少し笑う。

「心は精神の病気なの。だから、こうしてたまに混乱するけど、大丈夫だよ」


瑠衣の目に涙が浮かぶと、安心させるように握った手に力をこめた。