「ほら、吉沢梨花。同じクラスでしょう?」

「……」

沈黙があまりにも苦しい。

瑠衣の表情はだんだんと困ったような顔に変わる。

「梨花……」

「そう、いるでしょ。父親が議員やってるじゃん」

だけど、瑠衣はゆっくりと首を横に振り、そうして口を開いた。


「……だれ、それ?」


「ウソでしょう……」

あたしはなぜか後ずさりをすると、瑠衣と山本先生を見やった。

「ふ、ふたりともどうしちゃったの? わかった、あたしをダマそうとしているんでしょう!?」

そうだ、そうに決まっている。