ガラッ

音がして振り向くと、瑠衣が立っていた。

「なんだぁ、まだ3階にいたんだ?」

瑠衣があきれた顔をして入ってくる。

手には音楽の教科書。


そうだ、瑠衣ならわかってくれるはず。


「ねぇ、瑠衣。梨花って知ってるよね?」

すがるように瑠衣の腕を持ってそう尋ねるけど、まっすぐにあたしを見つめ返してきょとんとしている。


なに? どうしたのよ……。