なんとか歩き出すと、山本先生も黙ってあたしの後ろをついてきた。


なんて言っていいのかわからない。


階段をのぼりながらも、これからのことを思うと苦しさが押しよせてくる。

だって、お父さんやお母さんだけじゃない。

山本先生にも瑠衣や哲生……クラスメイトや学校にも迷惑をかけてしまうだろうから。


グスッ


鼻をすすりながら、ようやく音楽室の前に来る。

まだ他のクラスメイトは来ていないみたい。


カギを取り出しながら、山本先生を見た。