「……なんかあったの?」

やはりウソがヘタなあたしに、瑠衣はいぶかしげな表情を向けてくる。


そうだよね……友達ならわかるよね。


瑠衣、ごめん。

あたしの口からは言えないんだよ…・・。

「大丈夫だって。ごめんね、すぐに戻るから先に行ってて」

そう言うと、手のひらで階段の下を指す。

それでも瑠衣は首をかしげていたが、
「早く戻って来てね。次、音楽だからさ」
と、素直に階段を降りて行った。


ようやくその姿が見えなくなると、全身から力が抜ける。