「瑠衣……」

うれしそうに階段をあがってくるのは瑠衣だった。

「どこいってたの? いなくなっちゃったから探したんだよ」

瑠衣はあたしのそばまで来ると、不思議そうな顔をした。

いつもお弁当を一緒に食べていたから、姿の見えないあたしを探しに来てくれたんだ……。

「ちょっと、用事があってね」

不自然なのはわかっているけれど、そう言うしかなかった。

本当のことは、このあとすぐにわかるだろうけど、今は友達のままでいたかったから……。


「どうしたの? なんかヘン」


「そう……かな?」