「ごめんね」

つぶやくように言うと、あたしは後悔の涙をこぼした。

自分のしたことは責任をとろう。

とにかく先生に事情を話して、警察を呼んでもらわなきゃ……。


音楽室を出るときに、もう一度だけ振りかえる。


なぜか梨花が動いたような気がしたけれど、あたしは急ぎ足で廊下に出ると扉を閉めた。

階段のところまで行って気づく。

「そうだ、カギしめなきゃ……」

誰かが見つけたらパニックになるだろうし……。

急いで引き返そうとしたとき、
「あれ? 心、ここにいたんだー」
階段下の踊り場から声がして心臓がドクンと音を立てた。