もっと考えるのよ。

気づくと右の親指の爪をかんでいた。

だけど、考えても考えても言い逃れはできないと思った。

正当防衛を主張しても、梨花の親は権力者だから間違いなく罪には問われる……。


アセるなか、時間だけが過ぎてゆく。


ゆっくりと立ちあがると、もう手も足も震えてなかった。

梨花に近づくと、その顔を見つめる。

彼女はこれまでもたくさんの生徒をいじめてきた。

訴えれば退学に追いやられたり、ウワサでは引っ越しまでした生徒もいるらしい。


だけど……だからといって殺していいわけがない。