強い力にまた転びそうになるのをこらえるのが精いっぱい。

「ざけんなよ」

「やめてよ!」

肩に置かれた手を振り払いながら、あたしは梨花を振り返った。

その目を見て、一瞬でこみあがるもの。


それは、怒り。


「へぇ、心は退学になりたいんだね。だったらお望みどおり、パパに言って退学にしてあげる」

ニヤニヤと笑う悪魔。


悪魔。



悪魔!