職員室へカギをとりに行き、3階にある音楽室へ向かう間、前を歩く梨花は一度も話しかけてこなかった。


どうしよう……。


イヤな予感が胸に広がってゆく。

ようやく音楽室の前まで行くと、梨花は「はい」と言ってカギを手渡してきた。

カギを開けろ、ってことだよね。

素直にそれを受け取り、カギを開けている間梨花はあたしの後ろに立っていた。

言いようのない不安がこみあげ、なかなかカギが開かない。

「もう……」

何度か右へ左へ動かしていると、
ガチャッ
と、音がした。