なんだろう……。

梨花の目的がわからずに、あたしはひきつった笑みを返すしかできない。


早く教室に戻りたい……。


そんなあたしの考えを見透かしたのか、梨花はあたしの手をまたつかんだ。

「音楽室の扉を開けにいくの、手伝ってくれる?」

「え、今から?」

日直は、音楽の授業の前にカギを取りに行き、音楽室の扉を開けることになっている。


でもそれは授業がはじまる直前でいいわけで、お昼休みに行かなくても……。


「先に開けておきたいの。お願いつきあって」