そりゃそうだよね……。

さっきまで半分寝てたんだし。


「じゃあ次は、小笠原」

名前を呼ばれた瑠衣が、ビクッと体を震わせた。

まさか当たるとは思ってなかったのだろう、瑠衣はゆるゆると立ちあがると無言で首を振った。

「わからないのか?」

「……すみません」

消え入りそうな声で言う瑠衣は、そのままストンと腰を降ろす。


山本先生はこれみよがしに大きくため息をつくと、「あのなぁ」と口にした。

「なんでこんな簡単な答えがわからないんだ? お前らちゃんと授業聞いていたのか?」