……違和感。

いつもはれ物にさわるように接していた山本先生が、今日は挑むように梨花に視線をあわせて言っている。

みんなもそれに気づいているのか、『テスト』と聞いても不満の声をあげる生徒はいなかった。

「それじゃあ、山下」

次に指名されたのは、山下哲生。


自信ある、哲生は絶対にわからない。


あたしの予想はやはり的中し、哲生は立つこともせず、
「わからないです」
と、答えた。