- 作品番号
- 1247140
- 最終更新
- 2017/06/02
- 総文字数
- 131,266
- ページ数
- 250ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 69
- ランクイン履歴
-
総合39位(2019/10/30)
青春・恋愛25位(2022/05/11)
サ
シ
イ
メ
マ
イ
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「俺がお前を好きになることはない」
-リヒト-
悪魔のように残酷で
媚薬のように甘美な男
たとえどんな仕打ちを受けても 私は
その美しい瞳に見つめられるだけで
その美しい声に名前を呼ばれるだけで
甘い眩暈で 何にも見えなくなる
.
・*。
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「俺を好きになってくれませんか」
-ルイ-
明るくて優しくて真っ直ぐな男
私のことを一途に想ってくれている
でも その声では その瞳では
私は眩暈を起こさない
.
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*:
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「私はなんて打算的でずるいんだろう」
-レイラ-
二人の男の間で揺れる
愚かな女
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・。.
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Which will you take?
焦がれてやまない愛しい恋人
or
優しく包み込んでくれる年下の男
*
SPIN-OFF TO『いとしい傷痕』
この作品のレビュー
レイラは自分のことを『最低だ』と言うけれど、それは誰よりも純粋な証なんだと思う。 19歳のときに出会って、すべてを捧げてきた。自分の人生が犠牲になってもかまわなかった。それほどまでに愛せる誰かに、人はなかなか出会えないものだと思う。 レイラ、ルイ、そしてリヒト。それぞれがそれぞれの純粋を抱えていて、ただ求めて、でも、手に入らなくて。そうか、純粋って痛いんだって、思い知らされました。 ルイのあたたかな優しさも、リヒトの見えづらい優しさも、わたしは愛しい。そんなふたりのあいだで揺れるレイラの愚かささえ、愛しい。 ずるい大人をこんなにも透明に描いた作品を、わたしはほかに知りません。誰かを強烈に愛してみたくなる、そんな作品です。
レイラの心は揺さぶられる。 悪魔のように美しく冷酷なロックシンガー、リヒトに囚われ続けた7年間。 子犬のように懐いた年下のルイが、抑えきれない想いのままに抱きしめてくれたぬくもり。 リヒトの強烈なまばゆさの前にひれ伏すことが許されるなら、幸せな恋などいらないと思っていた。 ルイのぬくもりこそ残酷で、孤独の冷たさを知らしめられたレイラは、もう一人でいられないと気付いてしまう。 愛する人に、愛されたい。 だんだんと自分の望みに気付いていくレイラの行く手に、分かれ道がある。 レイラは、どちらを選ぶのか。 切なく、寂しく、限りなくいとおしい気持ちになれるラブストーリーです。
この作品の感想ノート
春野苺さま
読んでくださってありがとうございます!自分的にとても思い入れのある作品なので、すごくすごく嬉しいです。
この小説はリヒトを書くために書いたようなものなので、春野さんのお言葉は感激でした。
スピンオフのほうではリヒトにスポットを当てていますが、非公開にしたままになっていたので、さきほど公開にしてしました。すみませんでした(^-^;探してくださってありがとうございます!
ですが、今書きかけの作品を終えてから更新を始めようと思っているので、少し遅くなると思います…ごめんなさい。
他の作品も読んでくださっているなんて、本当に光栄です。学ぶものがあるのかは謎ですが(^-^;
ご感想ありがとうございました!!
氷月あや様
いつも本当に素晴らしいレビューとご感想をありがとうございます。
私自身、かなりリヒトへの思い入れが強く、後半は正直、レイラとルイはさっさとくっついて勝手に幸せになってくれーって感じで書いてました(笑)
なにかを創造する仕事をしている人はきっと、創れなくなることを最も恐れていますよね。
私の考えとしては、渇望して足掻きつづける焦燥から『モノ』は生まれるんだと思っていて、何かを手に入れて安定してしまうことが一番怖いんじゃないかと。想像です(笑)
そういう想像というか妄想をリヒトというロックシンガー像に込めました。
私はクリエイティブでもなんでもない普通の職業についていて、小説を書くのは完全に片手間の、アフターファイブの趣味みたいなもので、
全くもって気軽に書いていて申し訳ないくらいなんですが、
氷月さんのように全身全霊をこめて妥協せずに小説というものにぶつかっている方は、どれほど苦しく辛いだろう、と思います。
ご感想から氷月さんの葛藤や苦悶が伝わってきて……お辛い時期でしょうが、お体をお大事に頑張ってください。
なんだか氷月さんはかなり精神を削って身を粉にして書いておられる気がします。
氷月さんの作品、まだまだたくさん読みたいので、ご自愛くださいね。
お久しぶりです。
やっとラストまで読ませていただきました。
リヒトが初めて本心を見せるシーンで、完璧にリヒトに感情移入してました。
自分が男で、文字じゃなく音楽を目指しているなら、リヒトみたいな(カリスマ性は無いけど)悲惨な人間になってたかもしれないと思いました。
「俺は孤独じゃないといけない」という言葉に象徴されるリヒトの心が、ひりひりしました。
満たされたら創れなくなる、という危機感、強迫観念。
飢えた心理、欠けた精神じゃなければ、俺がずっと創りたいと望んできたものから遠ざかってしまう。
「満たされて愛されれば、それ相応のものが創れるよ」と言われるけれど、そうじゃない。
そんな安全で安定したものが創りたいんじゃない。
尖ってて痛い、生身のモノじゃなきゃ、俺が創る価値がない。
誰もが手にできる温度のモノなら、俺じゃなくても創れるようなモノなら、俺の言葉に乗せる意味がない。
だから、甘ったれた生ぬるい感情を押し付けられるのは嫌だ。
そんなものを共有できると思われてるなら鬱陶しい。
本物になる、その方法もわからない平凡な誰かに、俺の本物をどうこうされたくない。
普通、レイラに感情移入するはずのシーンで、リヒトのほうに入り込んでしまって……。
今まさに、自分が本物かどうかを試されてる最中にあるから、というのもあるんですが。
(年末年始も関係なしで、一月上旬までが勝負です)
だから、その後のレイラの選択と変化、成長も、リヒトに近い視点で、どこか遠い世界のことのように「眺めていた」感じでした。
やっぱり最後まで変な読み方をしてしまいました。
レイラが幸せになれてよかったです。
付け足しみたいになってしまいましたけど、レイラにはレイラの幸せの形があって、それに気付けたことは本当に素敵なことだと感じました。
今回も素晴らしい作品を読ませていただきました。
ありがとうございました♪
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