言い訳するような口調になってしまった。



すると百合が、「………なに、それ」と低く呟くのが聞こえた。



俺はぱっと顔を上げて百合を見る。



百合がきつく唇を噛み締めていた。




「………しょうがない、って、なに?

なんでそんなこと言うの?」




強い眼差しが、容赦なく俺を射抜く。



俺は息を呑んで百合を見つめ返した。




「しょうがない、なんて、言い訳だよ。

そんな言い訳、しないでよ………。


涼はあんなにサッカー頑張ってるじゃん。

プロになるんでしょ?


それなのに、今、無理やり塾に行かされて、受験勉強に時間とられて、本当にいいの?

それでいいの?


いつか、後悔するんじゃないの?

あの時もっと練習しておけば、って……」




無口な百合が、こんなに一気に、まくしたてるように話すのを、初めて聞いた。