潤んだ瞳は、窓から射し込む陽光で、白く煌めいている。


きれいだな、と思った。




………加納さん、大丈夫?

どうかした?




ーーーそう言えれば、どんなにか良いだろう。




でも、俺は何も言えないまま。


見てはいけないものを見てしまったかのような気まずさを隠すために、視線を逸らした。




加納さんの言葉に目を丸くしていた男子たちが、一拍おいて、



「そうだそうだ、特攻資料館だ」



と雰囲気を変えるように言った。



「そうだったよな、思い出した」


「入り口に戦闘機置いてあってさ」


「遺書みたいなのいっぱい飾ってあんの」


「隊員みんなの顔写真が、壁一面に並べてあったんだぜ!」



資料館の様子を俺に伝えようとしてくれる言葉を聞きながらも、俺は、加納さんのことで頭がいっぱいだった。



どうして加納さんは、あんなに悲しそうな顔をしているんだ?